サプリメント

葉酸

 

葉酸は、健康食品に含まれるようになったりサプリメントとして販売されたり、と認知度の高い栄養素となっています。
特に、妊婦さんには欠かせない栄養素として、妊娠を望む人は積極的に摂りましょうと進められています。

 

ではこの葉酸、一体どんな働きをしているのでしょうか。
からだの中でDNAやアミノ酸が合成される際に、葉酸は欠かせない栄養素として知られ、葉酸が不足すると正常な合成が行なわれなくなっていろいろな障害が起きやすくなると言われています。
特に胎児の時期は細胞分裂や細胞の増殖がもっとも活発に行なわれるため、この時期に葉酸が不足すると中枢神経に障害が起こる危険性が高くなるようです。
障害の中で代表的なものが無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害で、脳や脊椎の形成不完全によりからだのあちこちに障害を起こしてしまいます。
これらの原因がすべて葉酸不足にあるというわけではありませんが、妊娠初期に葉酸が不足するとこれらの障害が起こりやすくなってしまうことがわかっています。

 

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなど濃い緑色の野菜や果物、豆類に多く含まれていますが、妊娠中に必要な量の葉酸を毎日これらから摂取するのは難しいかもしれません。
そんなときにはサプリメントを利用するのもよいでしょう。
食事から必要な栄養素を摂れればそれに越したことはありませんが、無理をして挫折しては意味がありません。

 

また葉酸には動脈硬化の危険性を減らす働きもあることがわかってきました。
妊婦や若い女性だけでなく、中高年の人にとっても葉酸は大切な栄養素であると言えるでしょう。

亜鉛

最近、何を食べてもおいしくない、と感じることはありませんか?
食事をおいしく感じられない、ということにはいろいろな原因が考えられますが、味覚異常がある場合もあります。
味覚異常の症状としては、口の中がいつも苦い、味を変に感じる、または味を感じない、金属をなめているような感じがする、食欲が出ない、などが挙げられます。
この味覚異常は、偏食による亜鉛不足か、ある薬を飲んでいることで亜鉛欠乏が起きたことが原因のひとつであることも少なくありません。
ほかに、アルコールの飲み過ぎやインスタント食品の食べ過ぎで亜鉛不足になることもあります。

 

亜鉛はからだの中にある300種類以上の酵素の働きに関わっています。
亜鉛は、細胞の新陳代謝や性ホルモン分泌の調整、免疫機能の維持など、その働きはさまざまです。
味覚異常に関して言うと、舌の上にある小さな細胞の集まりがあるのですが、その細胞は短いサイクルで生まれ変わります。
亜鉛が不足すると、その細胞の新陳代謝が滞ってしまうため、味覚異常が起きてしまうのではないかと言われています。

 

また亜鉛は味覚を正常に保つという働きだけでなく、やけどや傷、皮膚炎など、皮膚の修復を助ける役割もあるとして注目されています。
これは、褥瘡(じょくそう)の直りがよくない患者の血液中の亜鉛濃度が低い傾向がある、ということから言われるようになりました。

 

最近では亜鉛の効果がよく取り上げられ、亜鉛のサプリメントを購入する人が増えているようです。
特に性ホルモン分泌の調整という働きを大きく宣伝したサプリメントなどは「精力増強」などというキャッチコピーに魅かれて購入する人が多いようです。
しかし、亜鉛は納豆や木綿豆腐、プロセスチーズなど、身近な食品に含まれています。
とくに精白米よりは玄米に多く含まれ、あまり精製されていない食品に多いのも特徴のひとつです。
このように食品からも摂取できる栄養素ですので、逆にサプリメントから極端に多く摂ってしまうことの方が心配です。
亜鉛だけを過剰に摂取すると、銅の吸収を阻害してしまい、銅欠乏を引き起こす可能性もあります。

カルシウム

丈夫な骨を作りたい、と思ったときにまず浮かぶ栄養素はカルシウムですね。
錠剤のサプリメントやドリンクタイプのものもあり、子どもにも摂りやすい商品がたくさん発売されています。
また、イライラしている人に対して「カルシウムが不足していない?」と冗談を言う人もいますが、カルシウムが骨の形成だけでなく精神安定剤の役割を持っていることもよく聞く話です。

 

体内のカルシウムのうち、99パーセントは骨や歯に存在し、残りの1パーセントは血液中や細胞内にあって、心臓の機能、筋肉の収縮、血液凝固、ホルモン分泌などのいろいろな生体反応に関わっています。
血液中のカルシウムの濃度が低くなってくると、副甲状腺ホルモンやビタミンDが働き、骨に蓄積されているカルシウムを溶かし出したり、カルシウムの吸収力を高めたり、尿に排出されるカルシウムの量を減らすなどして血中濃度を一定に保とうとします。
しかしカルシウムの血中濃度が低い状態が長く続くと、骨から溶け出すカルシウムの量が増え、その結果骨に支障が出てくることになります。

 

骨は固くて変化しないようなイメージがありますが、常に新しい骨が作られ、古い骨は壊され吸収され、活発に新陳代謝を行なっています。
この新陳代謝がバランスよく行なわれていればよいのですが、骨の形成が骨の吸収に間に合わないと、骨の量が減少してきます。
そしてやがて骨粗しょう症へとつながってしまうのです。

 

骨粗しょう症の治療のために薬を出された場合、自分で判断してカルシウムのサプリメントなどを摂ってしまうのは高カルシウム血症を引き起こす原因にもなるので気をつけてください。
高カルシウム血症の症状には、食欲不振、皮膚のかゆみ、口の渇き、吐き気、便秘などがあります。
もちろん普通の食事で摂る分のカルシウム量なら問題はありません。

 

魚離れが進んだ日本ではカルシウム不足がよく話題になり、普段からカルシウム摂取に心がけている人は多いと思います。
骨粗しょう症になりにくい体にするためにも、若いうちからしっかりとした骨を作るよう、食事のバランスや運動に心がけましょう。