ひざの痛み

成長期における膝の痛み

膝の痛みというと、色んな原因が考えられますが、その中で人生の最初にそれを引き起こすのは、やはり成長期かと思われます。
成長期という時期は、非常に体の変化が顕著です。
一ヶ月で身長が数センチ伸びるというのは、決して都市伝説ではありません。
割と頻繁に見られる変化です。
それくらい、成長期という時期には身体が日に日に大きくなっていくのです。

 

ただ、すべての部位がバランスよく成長していけばいいのですが、必ずしもそうではないというのが、この成長期の厄介な点です。
たとえば、身長が伸びて骨が成長している一方で、筋肉がそのままだったりすると、骨が筋肉を必要以上に圧縮し、痛みの原因となる事があります。
骨が隆起して膝にねじれを生じさせるということもあります。
これは『有痛性分裂膝蓋骨』という状態で、こうなると「成長期だから当たり前」と言っていられなくなります。

 

また、成長期の真っ只中である中学生の時期などは、部活動を盛んに行います。
そこで、まだ身体が発達しきれていないアンバランスな状態だと、激しい運動に膝が耐えられず、悲鳴を上げるというケースが目立ちます。
特に、バレーなどの競技では、ジャンプによる負荷で膝蓋骨が一部剥離してしまう事があり、痛みを生じます。
これは俗に『ジャンパー膝』と呼ばれているものです。

 

これ以外にも、テニスや野球の守備の構えの際、常に膝を屈めた状態でいると痛みが生じるというパターンも見受けられます。
成長期の膝の痛みと言っても、結構種類はあり、場合によっては治療が必要となります。

過負荷による膝の痛み

膝には、常に大きな負荷がかかっています。
立っているだけでも、人間の体重のほとんどが負荷となり、膝を常に刺激しているのです。
ただでさえそういった状態なのに、そこでさらに負荷がかかるような行動を取ることで、膝が突然故障するということは、日常の中で十分にありえます。
膝への過負荷は、膝の痛みを生む要因としては一番多いかもしれません。

 

日常における膝への過負荷で多いのは、荷物運びですね。
突然重い荷物を持つと、よくギックリ腰になると言われています。
ですが、怖いのは腰だけではありません。
膝もまた負傷対象の一つとなり得るのです。
特に、引越しの際に重い荷物を他の人から受け取る時が危険です。
膝を伸ばした状態で重いものを受け取ると、膝が悲鳴をあげる事があります。
こういった場合は、うまく膝を曲げてクッションを作ることが必要です。

 

膝の痛みが起こる要因は、こういった日常であまりない出来事だけではありません。
何気なく座っている時でも、常にその危険とは隣り合わせです。
特に深い意味もなく、足に体重を乗せたりしていると、突然膝が痛くなる事がありますよね。
それくらいであれば、痛みはすぐに引きますが、これが例えば無理な体勢で座っている場合などは、結構危険です。
できれば、テレビを見る時やパソコンを使う時などは、お尻にしっかり体重をかけて、あまりおかしな体勢でいないことをお勧めします。

 

何もしていない、ただテレビを見ていた時に膝を痛めたという例は、実は意外と多いのです。

怪我による膝の痛み

数々ある膝の痛みで一番強烈な刺激となるのは、やはり怪我による痛みでしょう。
そしてその要因として一番多いのは、スポーツによる怪我です。

 

プロスポーツ選手が膝を痛めるというのは、非常に多く聞かれる事例です。
特に、サッカーに関してはそれが顕著で、毎年多くの有名選手が膝を痛めて長期離脱しています。
それは、ヨーロッパの有名な選手であっても例外ではありません。
むしろ、優れた選手ほど膝の怪我は多いですね。
なぜなら、それだけマークされてしまい、反則まがいのタックルを受ける機会が多いからです。

 

膝の損傷で特に多い事例は、半月板の損傷と十字靭帯の損傷です。
半月板というのは、膝の中の骨と骨の間にある板状の部位で、いわゆるクッションの役割を果たしています。
よって、急激な負荷が膝にかかると、ここを損傷することになるのです。
半月板を損傷すると、半年?1年、あるいはそれ以上の離脱となるケースが多く、非常に重い怪我となります。

 

十字靭帯は膝関節の中にあり、膝の上の骨と下の骨をつなぐ役割を担っています。
膝に大きな衝撃を受けるとこの靭帯が切れたり痛んだりして、脱臼に近い状態になります。
膝の骨が宙ぶらりんになって、肉や血管を痛める事にもつながる、かなり厄介な怪我です。
こちらも、大きな怪我となると1年以上をリハビリ生活に費やすことになります。

 

こういった怪我は、膝の痛みとしては最大級レベルで、屈強な肉体を誇るスポーツ選手が涙を流して悶える姿が、何よりそれを物語っています。
普通の生活をしている人たちも、交通事故などでこれらの怪我を負う可能性は十分あるので、日常生活では常に注意をすることが必要となります。
場合によっては、一生歩けなくなる可能性もあるのですから。