漢方薬について

現代医学が「病気を治す治療法」であるのに対し、漢方医学は「病人を治す治療法」であるといわれます。つまり、現代医学では病名に基づいて治療方針が決定されるのに対して、漢方医学ではその人の体質や体力、抵抗力、あるいは病気の進行の程度を意味する「証」に基づいてそれに最も適した漢方薬を決定するのです。
このため、現代医学の目でとらえた場合には同じ病気で、同じ西洋薬を処方されるような場合であっても、漢方医学では、その人それぞれに応じて、違う漢方薬が選ばれるのです。したがって漢方医学においては、その人の「証」を正確に見定めることが治療の最大のポイントとなります。

 

「証」とは?
漢方医学における治療方針の決定、つまり漢方薬の選択は、それぞれの人の「証」に基づいて行われます。代表的な「証」には次のものがあります。
1.虚実・・・虚証と実証
2.陰陽・・・陰証と陽証
3.気・血・水

 

1.「虚実」とは、患者の体質と体力の質的な充実度を示すもので、基本的、かつ重要な証です。
2.「陰陽」とは、病気の進行の具合と体力の消耗度をみるものです。病気の勢いとその人の体力の関係を量的な面からとらえて割り出します。
3.「気・血・水」とは、漢方医学における身体の生理機構を意味する言葉です。漢方医学では、身体が病気に犯されている状態と病気の進行具合を意味する言葉として「病邪侵攻」という言葉は用いられます。

 

 

虚証の特徴

漢方医学における治療方針の決定、つまり漢方薬の選択は、それぞれの人の「証」に基づいて行われます。代表的な「証」には、1.虚実(虚証と実証)、2.陰陽(陰証と陽証)、3.気・血・水があります。
「虚実」とは、患者の体質と体力の質的な充実度を示すもので、基本的、かつ重要な証のことです。また。「陰陽」とは、病気の進行の具合と体力の消耗度をみるものです。病気の勢いとその人の体力の関係を量的な面からとらえて割り出します。そして、「気・血・水」とは、漢方医学における身体の生理機構を意味する言葉です。漢方医学では、身体が病気に犯されている状態と病気の進行具合を意味する言葉として「病邪侵攻」という言葉は用いられます。

 

虚実について、虚証と判断される特徴を以下にあげます。
虚証
・すんなりしている、かぼそい。
・筋肉が薄弱で柔らかい。
・なぜ肩
・首が細い
・痩せ型
・指が細い
・腹壁が薄く、やわらかい。
・ヘソが浅く広い。
・顔の造作が薄く細い。
・あごが細い、面長
・細い疲れたまなざし。
・線が細い感じ
・声が細く、小さい、低い、または高い、口ごもる。発音が不明瞭。かすれる、濁る、または早口。
・歩き方がよわよわしい。

・胃腸が弱い。
・下痢をしやすい。または弛緩性便秘。
・甘い物を好む。
・疲れやすく、また回復が遅い。
・身体を動かすのがおっくう。
・抵抗力が弱い。
・反応が弱いか、または強すぎる。
・静的。
・消極的。
・自己否定的。
(竜野一雄による)

 

 

虚証と実証

近年、西洋医学の面からの裏づけが積極的に進められていることもあり、漢方医学による治療が急速に広がりつつあります。

 

漢方医学における治療方針の決定、つまり漢方薬の選択は、それぞれの人の「証」に基づいて行われます。代表的な「証」には、1.虚実(虚証と実証)、2.陰陽(陰証と陽証)、3.気・血・水があります。
特に注目されるのが、「虚実」です。虚実とは、患者の体質と体力の質的な充実度を示すもので、基本的、かつ重要な証のことです。

 

虚実について、実証と判断される特徴を以下にあげます。

 

・筋肉質、筋肉が硬い。
・いかり肩
・がっちり、どっしりしている。
・ヘソが深く、大きい。
・顔の造作が太く、大きい。
・胃腸が丈夫。
・便秘がち。
・しっかりと歩く。
・首が太い。
・骨太。
・顎が角ばっている。
・声は太く大きく力強く、発音がはっきりしている。
・苦いものでも平気。
・積極的気質。
・自己肯定的。
・目に力があり、大きい。

・活動的。
・指が太い。
・腹壁が厚く、弾力がある。
・線が太い感じ。
・働いてもすぐ疲れがなおる。
(竜野一雄による)

 

これらの特徴と対極的にあるのが、虚証ということになります。漢方医学では、同じ症状を持つ人が受診をしても、異なる漢方薬を服用することになる場合があるのも、その人それぞれの「証」に基づいて有効な漢方薬が判断されるからです。また、実証と虚証の間のタイプとして、中間証(間証)というタイプもあります。漢方薬は、作用は穏やかですが、副作用がないわけではありません。証の判断を誤るとかえって症状を悪化させることもありますので、専門医にかかることをお勧めします。

 

 

 

虚実

虚実は、漢方薬の決定に重要な鍵となる証のひとつです。
「虚証」とは、病邪が体内に残っていないにもかかわらず、当人の精気や体力がすでに衰えてしまっている状態をいいます。虚証のタイプの人の特徴として、皮膚や筋肉が軟らかく、やせ型、顔色が青白くて見るからに弱弱しい、ということがあります。
このタイプの人には、体力低下を補う漢方薬が用いられます。

 

一方、「実証」は、逆に病邪が体内に残ってはいるものの、精気や体力が充実し、病気に対抗できる状態をいいます。実証のタイプの人は、皮膚や筋肉が硬く、緊張しています。弾力性があり、がっちりとした体格、血色が良く、行動的なタイプの人です。このタイプの人には、病邪を追い出す薬を用います。強力な発汗作用や下剤などの薬は、このタイプの人になら用いることが可能です。

 

また、虚証でも実証でもないタイプ、中間的なタイプの「中間証(間証)」というタイプもあります。

 

漢方薬は、それぞれの人の「証」に基づいて決定されるため、同じ下痢症状でも、虚証の人に対して、実証のタイプの人に用いる下剤などを用いるとかえって病状の悪化を招く恐れがあります。

 

また、証には、実証以外にも、陰陽(陰証と陽証)および、気・血・水という別の観点からのものもあります。
これらを総合的に判断して漢方医学の治療方針が決定され、漢方薬を用いることになるのです。現代医学ではなおらなかった病気が漢方薬で改善した、という例も数多くあります。しかし、漢方薬は万能薬ではありませんし、現代医学が得意とする分野があることも確かです。漢方医学が得意とするのはどのような分野であるかを見極めて治療を受けることも大切です。

 

健康管理と健康増進



<スポンサードリンク>